ランニングで反り腰になってしまうのを改善する方法は?

こちらの動画でもランニングで反り腰になる原因と対策について解説をしています。
ランニングで反り腰になってしまう人には、明確な原因と改善方法があります。
これは、ランナー専門の治療院で多くの人を見る中で、私が感じた事です。
とはいえ、
- なんで反り腰になってしまうのか?
- 何が反り腰の原因なのか?
と思う人もいると思います。
でも大丈夫です。
今回はランナー専門の整体で多くのランナーに施術をしている玉川さんに、
反り腰について詳しく聞いてみました。編集部
走ると腰が痛くなる人をたくさん見てきたので、なんでも聞いてください!
玉川さん
都内でもトップクラスのスポーツ整形外科クリニックで理学療法⼠として数年働き、現在はランナー専門の整体で数多くのランナーに施術を行なっている。
店舗は現在、東京、横浜、大阪、名古屋の4店舗。
ということで、今回はランナーの痛みに詳しい玉川さんに、以下の内容について聞いていきたいと思います。
編集部
- ランニングで反り腰になる5つの原因
- 反り腰を改善させる3つの方法
- 実際の改善例
の順に、わかりやすく解説していきます。
さらに今回は実際に反り腰で腰が痛い人の施術例や自分でできる改善方法も紹介していただけるみたいです。
この記事を読むことで反り腰の痛みを解決できると思いますので、最後まで読んでみてください!
ランニングで反り腰になる5つの原因
ランニングで反り腰になってしまう原因は、5つあります。
反り腰の原因をしっかりと把握しておけば、最適な改善方法がわかるため、しっかりと反り腰の原因を理解しておきましょう。
1.腹筋が弱い
反り腰には、腹筋と背筋のバランスが非常に大事になります。
なぜなら、腰はこのように、腹筋と背筋に挟まれており、この2つの筋肉の影響を大きく受けるからです。
簡単にまとめると、
- 「腹筋」と「背筋」のバランスがいい→正常な腰のカーブ
- 「腹筋」が弱くて「背筋」が強い→腰の反りが強くなる
- 「腹筋」が強くて「背筋」が弱い→腰の丸まりが強くなる
という様なパターンに分けられ、反り腰の人は2に該当します。
つまり、腹筋が強く働くと腰は丸くなり、逆に腹筋が弱くて背筋が強いと、腰が反るようになります。
腹筋が弱いか見極めるテストとしては、
腹筋が20回程度、スムーズにできるか?
というのが、1つの判断基準になります。
腹筋を20回できない人や、20回やるのにかなりの努力が必要な人は、腹筋が弱いという判断になります。
腹筋が弱い人は腹筋を鍛える必要があるので、記事の後半で簡単なトレーニングを2つ紹介させていただきますね。
2.お尻の筋肉が弱い
反り腰には、お尻の筋肉とモモの前の筋肉のバランスが非常に大事になります。
なぜなら、腰と繋がっている骨盤が、このように、お尻の筋肉とモモの前の筋肉に挟まれているため、この2つの筋肉の影響を大きく受けるからです。
さらに言うと、骨盤を後ろに倒すと腰は丸くなり、骨盤をお辞儀させると腰は反ります。
つまり、骨盤の動きが腰の反りに強く影響すると言う事が、なんとなく想像できますよね?
簡単にまとめると、こんな感じです。
- 「お尻の筋肉」と「モモの前の筋肉」のバランスがいい→正常な腰のカーブ
- 「お尻の筋肉」が弱くて「モモの前の筋肉」が強い→腰の反りが強くなる
- 「お尻の筋肉」が強くて「モモの前の筋肉」が弱い→腰の丸まりが強くなる
ちなみに、反り腰の人は2に該当します。
画像だとこんなイメージです。
このように、お尻の筋肉が弱いと、モモの前の筋肉が骨盤をお辞儀させる方向に引っ張るため、腰が反ってしまいます。
そのような場合は、お尻を鍛える必要があるため、記事の後半でトレーニングを紹介させていただきますね!
3.背筋が硬い
「1.腹筋が弱い」で述べた方に、反り腰には、腹筋と背筋のバランスも、非常に大事になります。
先ほどの「1.腹筋が弱い」では、腹筋の話をしましたが、今回は背筋が強い場合の話です。
背筋の硬さが反り腰に影響しているのか、判断するチェック項目としては、
- 壁際にまっすぐ立った時に、腰と壁の間に指が3本以上入る
- お尻が出っ張ったような立ち方になってしまう
- 腰を丸める事ができない
- 姿勢が常にピンとしている
などの中で、1つでも当てはまるものがあれば、背筋の硬さが反り腰に影響している可能性が高いです。
そのような場合は、背筋のストレッチをして、硬くなっている背筋を柔らかくする必要があります。
具体的なストレッチ方法については、記事の後半で紹介させていただきますね。
4.モモの前の筋肉が硬い
「2.お尻の筋肉が弱い」で述べた方に、反り腰には、お尻の筋肉とモモの前の筋肉のバランスも非常に大事になります。
先ほどの「2.お尻の筋肉が弱い」では、お尻の筋肉の話をそしましたが、今回は、モモの前の筋肉の話です。
モモの前の筋肉の硬さが、反り腰に影響しているかのチェック方法としては、
- 壁際に、踵と頭をつけるようにして立つ
- 腰と壁の間の隙間に、指が何本入るか確認する
- 次は仰向けで寝る
- 腰と床の間の隙間に、指が何本入るか確認する
という方法があります。
仰向けで寝ている時の方が、腰の隙間に指が多く入るようであれば、モモの前の筋肉の硬さが反り腰に影響している可能性が高いです。
そのような場合は、モモの前の筋肉のストレッチをして、硬くなっている筋肉を柔らかくする必要があります。
具体的なストレッチ方法については、記事の後半で紹介させていただきますね。
5.モモの前の筋膜が硬くなっている
先ほど、モモの前の筋肉が硬いと反り腰になることを説明しましたが、筋肉だけでなくモモの前の筋膜が硬くなっていても反り腰になってしまいます。
筋膜を簡単に説明しますと、
- 筋肉を包む膜
- 体全体に繋がっている
- 筋膜が硬くなると痛みを出す
というイメージです。
図で表すとこのような場所に筋膜があります。
引用:トリガーポイント
ここに書かれている筋外膜などの膜が筋肉を包む筋膜です。
筋肉の全体を包んでいる事がわかりますね!
筋膜は全身繋がっているので、以下のような繋がりがあります。
引用:トリガーポイント
真ん中を見るとわかるのですが、モモの筋膜は足先〜骨盤まで繋がっている事がわかります。
つまり、繋がっている『足先〜骨盤』のどこかに筋膜の硬さがあると、骨盤を前に引っ張り反り腰になってしまうんです。
ランニングの反り腰を改善させる3つの方法
ランニングで反り腰になる原因がわかれば、改善させる方法も明確になります。
今回は、先ほどわかった反り腰の原因を改善させるための、簡単な方法を2つ紹介させていただきますね。
今回紹介する方法は、筋トレとストレッチです。
1.筋トレ
筋トレは、腹筋とお尻の筋肉の2つを紹介させていただきますね。
その前に、筋トレの効果を、最大限に引き出すためのポイントを紹介します。
- 筋トレの負荷量は、同じ動作を連続10回程度できる程度にする
- 筋トレは1部位を3セット程度行い、セット間は1〜3分程度開ける
- 筋トレをしたら2〜3日は、その部位の筋トレを行わないようにする(回復期間)
これらを意識して行って行きましょう!
1つ目は、腹筋を鍛えて、反り腰を改善させる方法です。
- 仰向けで寝て、両膝を立てる
- 腰が少し丸くなる程度まで頭を起こして、その状態で止まる
- 腰が丸くなっている状態を意識したまま、10秒〜30秒程度キープする
- 休憩を挟みつつ、3セット程度行う
腰を丸くした状態をキープする事ができるようになってくると、反り腰の改善に効果的です。
2つ目は、お尻の筋肉を鍛えて、反り腰を改善させる方法です。
- 仰向けで、両膝を立てる
- お尻に力を入れるイメージで、ゆっくりお尻を10回程度、上げ下ろしをする
- 余裕がある場合は、片足を浮かして行う
- 休憩を挟みつつ、3セット程度行う
注意点としては、お尻の筋肉を使えない人は、背筋に力が入りやすいので、注意しましょう。
また、背筋に力が入らないようにするためには、軽く腹筋に力を入れておくと良いですよ!
2.ストレッチ
ストレッチは、背筋とモモの前の筋肉の2つを紹介させていただきますね。
その前に、ストレッチの効果を、最大限に引き出すためのポイントを紹介します。
- ストレッチの時間は、1回30〜60秒で、1日2〜4回行う
- ストレッチ中は、息を止めない
- ストレッチの強さは、痛気持ちい程度にする
これらを意識して行って行きましょう!
それでは、各種ストレッチの説明に移ります。
1つ目は、背筋のストレッチです。
- 仰向けに寝る
- 両膝を抱えて胸に近づけ、腰を丸める
- 背筋を伸ばす
背筋の力が抜けにくい場合は、軽く腹筋に力を入れる事で、背筋が緩みやすくなります。
2つ目は、モモの前のストレッチです。
- 左側を伸ばす場合は、右足を前に出して、左膝を着く
- 骨盤や体幹を真っ直ぐにしたまま、体を前に平行移動させる
- 左の骨盤からモモの前を伸ばすように、微調整する
この時に腰が反ってしまうと、ストレッチの効果が落ちるため、骨盤や体幹を真っ直ぐにする事を意識しましょう。
3.筋膜リリース
先ほど、筋膜は全身に繋がっていると説明しました。
引用:トリガーポイント
そのため、モモの前の筋膜をほぐす事もとても有効になります。
具体的には以下の部位です。
- モモの前
- モモの内側
- スネの前
これらの部位が硬くなっている影響で、反り腰になってしまう人は非常に多いです。
そのため、これらの部位の筋膜をほぐす事が効果的です。
初めは痛みと思いますが5分程度ほぐしていると痛みが減ってきますので、やってみてください。
ランニングで反り腰になるA選手の改善事例
次は、実際に反り腰で腰痛があるA選手の改善事例を紹介させていただきます。
玉川さん
ランニングで腰が痛くなるA選手の話
Aさんに腰痛の話を聞いて見ると、
3ヶ月ぐらい前から走っている時に腰が痛くなりはじめました。
それからどんどん痛くなってきて、最近は歩くだけでも腰が痛いです。
元々、反り腰が強いタイプなので、それも影響あるのかと・・。
とのことでした。
腰痛で走れないA選手の腰の状態
初めにA選手の腰の状態を確認したところ、腰を曲げると痛くて、これ以上曲げられないみたいです。
それだけでなく、腰を反っても痛いたいです。
腰痛で走れないA選手の筋膜の状態
次にA選手の筋膜の硬い場所を探して見ました。
すると、モモの前〜足の前にかけて筋膜が硬い場所が多くありました。
モモの前の筋膜が硬くなると反り腰になる可能性が高くなるため、これは怪しいですね。
腰痛で走れないA選手の治療結果
次は先ほど確認できた硬い筋膜をほぐしていきました。
その結果・・
このような感じで腰痛は改善しました!
もちろん、この後は長距離を走っても腰痛はありませんし、反り腰も少し改善されていました。
このように、適切な対応をする事で、反り腰による腰痛を改善する事ができます。
まとめ
今回は、ランニングで反り腰になる原因と改善方法を、理学療法士の視点から解説させていただきました。
ランニングで反り腰になってしまう人には、明確な原因と改善方法があるため、適切な改善方法を実施して、いい効果が出れば嬉しいです。
最後にもう一度だけ、取材に付き合っていただいた玉川さんの紹介をしておきます。
玉川さんの紹介
都内でもトップクラスのスポーツ整形外科クリニックで理学療法⼠として数年働き、現在はランナー専門の整体で数多くのランナーに施術を行なっている。
店舗は現在、東京、横浜、大阪、名古屋の4店舗。