ランニングの注意点5つを理学療法士が徹底解説してみた!!

あなたはランニングの注意点って何個くらいわかりますか?
人によってはあまり意識せずに走っている人も多いと思います。
しかし、ランニングには注意点がたくさんあるため、意識する必要があります。
逆に、今回紹介する5つの注意点を意識するだけで、ランニングのフォームは確実に良くなりますし、怪我をするリスクも下がります。
なので、今回紹介する注意点は最低限意識するようにしましょう!
今回紹介する注意点は、以下の5つです。
- ランニングフォームに注意
- 呼吸法に注意
- 水分補給に注意
- 怪我に注意
- エネルギー補給に注意
実際に今日から試せる内容ですので、実際に試してみてください。
1.ランニングフォームに注意
ランニングの注意点1つ目は、ランニングフォームです。
特に、以下の5つの注意点は意識するようにしましょう!
- 頭を振らない
- 肩に力を入れすぎない
- 腕振りはコンパクトに
- 体幹を安定させる
- 蹴り上げの際に飛ばない
1.頭を振らない
1つ目は、頭を振らないことです。
頭を振るという動作は、ランニングにおいてとても無駄です。
理由は単純で、頭を振らなくても前に進むことができるからです。
この頭を振る動作ですが、きつくなってくると表れることが多いです。
きつくなってくると、ランニングフォームを意識することを忘れ、無我夢中で走ってしまうからです。
必死になる気持ちも分かりますが、頭を振るという動作はエネルギーの無駄遣いですので、振らないように意識してエネルギーを節約する方が良いです。
私もきつくなってくると頭を振ってしまうことがあるので、意識するようにしています。
最初は意識しないと頭が振れてしまうと思いますが、慣れてくると意識せずとも頭を振らないようになっていきますので頑張りましょう!
また、走るときの目線がしっかりできている人は、頭も安定するのでこちらをみてください。
2.肩に力を入れすぎない
2つ目は、肩に力を入れすぎないことです。
肩に力を入れすぎると力が入ったまま走ることになり、無駄に体力を消耗してしまいます。
さらに、肩に力を入れると体の動きが固くなり、結果として、ぎくしゃくしたランニングフォームになってしまいがちです。
このように肩に力が入っていると疲れやすくなったり、ランニングフォームが悪くなったりするので、肩には力を入れすぎないようにするのがポイントです。
力を抜いて肩をストンと落とし、リラックスするイメージです。
肩だけでなく、力を抜くということはランニングにおいてとても大切なので意識していきましょう!
3.腕振りはコンパクトに
3つ目は、腕振りはコンパクトにすることです。
これも無駄なエネルギーを消費しないようにするためです。
短距離走であれば、大きな推進力を得るために大きな腕振りを必要としますが、長距離走になってくるとコンパクトな腕振りでも十分です。
マラソンのトップ選手の中には、腕振りは単にリズムをとるだけの選手も多くいます。
しかし、だからといって腕振りが重要ではないというわけではありません。
終盤になって足に疲労がたまってくると、腕振りで推進力を得る必要があるからです。
したがって、レース終盤までは疲れにくくするために腕振りはコンパクトにし、終盤でしっかりと腕を振ると良いです。
エネルギーを使う場面を見極めることも大切です!
正しい腕振りについてはこちらの動画でも解説をしています。
4.体幹を安定させる
4つ目は、体幹を安定させることです。
体幹はいわゆる体の軸です。
この軸が左右にぶれてしまっては、前に進むランニングにとって無駄なエネルギーの消費となってしまいます。
その無駄なエネルギーを減らし、体幹をしっかりと安定させることで、疲れにくい走り方を手にすることができます。
体幹を安定させるためには体幹を鍛えることが効果的です。
具体的には、腹筋や背筋、側筋といった部位の筋トレを行います。
少しずつでいいので取り組んでいけば、体幹が安定し、疲れにくい走り方になります!
体幹については、こちらの動画でも解説をしています。
5.蹴り上げの際に飛ばない
5つ目は、蹴り上げの際に飛ばないことです。
前に進むランニングにとって、左右の動きも無駄ですが、同様に上下の動きも無駄です。
上下動が起きてしまう主な原因は、蹴り上げの際に飛んでしまうからです。
私もよく「上に飛ぶな」という注意を受けていたので、よく分かります。
ランニングの際に上に飛ぶのを防ぐコツとしましては、地面を蹴った瞬間に次の一歩を踏み出すようにすることです。
蹴り上げた足にずっと意識が残ってしまうと、つい力が入ってしまい、飛んでしまいます。
地面を蹴った後はすぐに次の足を前に踏み出すということを意識すれば、飛びにくくなります。
加えて、蹴り上げの際に飛んでしまう人というのはストライド走法の人に多いので、少しストライドを狭くしてピッチを上げてやると改善することが多いです。
上に飛ぶ無駄なエネルギーをなくし、前に進むエネルギーに使いましょう!
2.呼吸法に注意
ランニングの注意点2つ目は、呼吸法です。
ランニングの呼吸法では、以下の2つを意識したいです。
呼吸数を減らす
1番簡単な呼吸法は、吸う時間と吐く時間を2倍にした呼吸法です。
多くの人は、1歩で吸って、1歩で吐く呼吸をしていると思いますが、これでは呼吸の時間が短いだけでなく、呼吸数も多くなってしまうので、オススメできません。
オススメなのは、吸うのを2歩分、吐くのも2歩分にする方法です。
イメージとしては、
スーハー、スーハー、スーハー、だった呼吸を、
スーーハーー、スーーハーー、スーーハーー、にする感じです。
たったこれだけで、呼吸数が半分になるので、効率良く酸素を取り込む事ができます。
初めは違和感があるかもしれませんが、こちらの方が、疲れにくく走る事ができるようになるため、実際に試して見てください。
別の方法
先ほど説明した呼吸法は、吸う時間と吐く時間を2倍にした呼吸法でした。
もう1つオススメできる呼吸法としては、吸う回数と吐く回数を2回にした呼吸法です。
イメージとしては、
スーハー、スーハー、スーハー、だった呼吸を、
スースーハーハー、スースーハーハー、にするという事です。
こちらも先ほどと同様に、呼吸数を半分に減らす事ができるため、効率良く酸素を取り込む事ができます。
これも先ほどと原理は一緒ですが、1回で深く吸う方がやりやすい人と、2回に分けて吸った方がやりやすい人がいるため、2種類紹介させていただいています。
どちらでも原理や効果は同じなため、やりやすい呼吸法を選んでいただければと思います。
3.水分補給に注意
ランニングの注意点3つ目は、水分補給についてです。
走るときはもちろん汗をたくさんかきますが、走ることに集中しすぎて、水分補給をしっかりとしない人が多いです。
人によっては、冬だからあんまり水を飲まなくていいや!って思っていたり、走る前と走った後にしか飲まなかったりします。
人の体の60%は水分でできており、その6%が失われると、筋肉のけいれん、疲労、頭痛、めまい、吐き気など、様々な症状が起こります。
喉の渇きを感じているときは、1~2%の水分が失われているときなので、その状態のまま走り続けてしまうのは、脱水症状に近づいていくだけなので危険です。
このような症状が出てしまう段階まで行くと、ある程度脱水が進んでいるので、そこから水分補給をしても、すぐに回復は難しいです。
つまり、走っている時に、脱水の症状が出てしまうと、走るパフォーマンスがかなり低下して、回復できないので、速く走ることはできなくなってしまうんです。
なので、何としても、脱水は事前に防ぐ必要があります。
ちなみに、脱水症状を防ぐための方法は3つあります
①気温や湿度に注意する
暑い日はいつもより汗をかきやすくなるから、脱水症状になりやすいのは、皆さんもわかりますよね!
でも、湿度が高い日も、脱水症状ってなりやすいって知ってましたか?
実は、湿度が高い日って、汗が蒸発しにくくなってしまうので、体温調節がうまくできなくなってしまい、脱水になりやすいんです。
具体的には、雨が降った次の日とかは、前日に降った雨が蒸発してる関係で、湿度が高くなっているので、注意が必要になります。
また、冬に厚着して走っている時なども、体温調節がしにくく、脱水症状になりやすいので、注意しましょう!
②水分補給をしっかりするです
あなたは、運動中にどれくらいの頻度で水分補給をしていますか?
走る前と走った後だけの人も多いと思います。
しかし、走っている時にすでに脱水は始まっているので、気づかないうちに走るパフォーマンスは下がっています。
なので、5km走るごとに150~200mlの水分を補給するのが理想的です。
時間でう言うと、1時間で500ml程度の水分補給をしたいです。
でも、実際に多くの人はそこまで水分を摂取していないですよね?
つまり、多くの人は、脱水のまま走っているんです。
なので、水分補給を少しでも気をつけるだけで、他の人よりもいいパフォーマンスで走ることができるようになるんです。
なので、時間や距離を目安にして水分補給をするようにしましょう。
③スポーツドリンクを飲む
これは最近では常識かもしれません。
単純に汗には水分以外にも、電解質が含まれており、電解質も補給しましょうと言うことです。
でも、この電解質ってなにの役割をしているか気になりません?
電解質は、具体的に言いますと、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなどです。
これらは、神経や筋肉機能の調整、体内のpHの維持、水分バランスの維持などをしているので、人が動く時にかなり重要な要素になります。
さらに言いますと、電解質って、自分では作ることができないんです。
なので、食事や飲み物で摂取する必要があるんです。
つまり、走ってる時に電解質が失われると、自分の体内では電解質を作ることができないので、様々な問題が起こります。
そのため、スポーツドリンクなどで、電解質を補給する必要があるんです。
なので、これら3つに注意して脱水症状を防ぎましょう!
4.怪我に注意
ランニングの注意点4つ目は、怪我です。
特に以下の3つに当てはまる人は、怪我をしやすくなってしまうので注意しましょう!
- ストライドを広げすぎる
- ピッチを上げすぎる
- 着地方法が悪い
1.ストライドを広げすぎる
ストライドを広げすぎると、関節が大きく広がったり、着地衝撃が大きくなったりするので疲れやすくなります。
確かにストライドを広げた走り方は、スピードを出すのには効果的です。
しかし、そこまでスピードが必要とされない長距離種目に関しては、どちらかというとストライド走法よりも一歩一歩のエネルギーが小さいピッチ走法が良いです。
疲れにくい走り方をするためにも、ストライドは無理に広げすぎず、自分が楽に広げられる範囲にしておきましょう!
ストライドについては、こちらの動画でも解説をしています。
2.ピッチを上げすぎる
6つ目は、ピッチを上げすぎないことです。
長距離種目に関しては、ストライド走法よりピッチ走法が良いと解説しましたが、ピッチを上げすぎるのも逆効果です。
ピッチを上げすぎてしまうと足を素早く回転させなければならなくなり、そこで体力を消費してしまいます。
ストライドの広げすぎがいけないのならピッチを上げれば良いと考える人もいるかもしれませんが、上げすぎはかえって体力を消耗しますので、自分にあったピッチというものを見つけていきましょう!
3.着地の位置が悪い
8つ目は、着地は体のほぼ真下にすることです。
体より前に着地してみると分かると思いますが、膝の関節や太もも前の筋肉に大きな負担がかかると思います。
このような着地を繰り返していれば、当然疲れやすくなってしまいます。
そこで、体のほぼ真下に着地します。
「ほぼ真下」というのがポイントで、完全に体の真下で着地することは不可能であったり、できたとしても転んでしまうと思います。なので、完全に体の真下というよりは、やや前に着地するというイメージで走ると良いです。
着地の位置でも疲れやすいから疲れにくいかに大きな違いが出るので、ぜひ意識してみましょう!
5.エネルギー補給に注意
ランニングの注意点5つ目は、エネルギー補給です。
これも気づいていない人が多いですが、エネルギー切れが起こると、急に疲労を感じたり体の動きにくさを感じたりするので、注意が必要です。
エネルギーが切れる原因と対策
エネルギーが切れる原因は、糖質の補給不足です。
このエネルギー切れが起きてしまうと、走るのが遅くなってしまうので、何としても、避けたいですね!
走っているときは、糖質などを使う関係で、長く走れば走るほど、グリコーゲンが枯渇してきます。
そのため、長く走る時ほど、途中でのエネルギー補給が大事になります。
エネルギー補給のタイミングは、人によって違います。
具体的には、エネルギーが切れる30分前です。
疲労や脱力感、足の重さを感じだす30分前に補給しておくことで、ちょうど良くエネルギーが吸収されるので、エネルギー切れが起こりにくくなります。
そのため、エネルギーが切れ始めるタイミングを日頃から意識しておく必要があります。
また、走る前にもポイントがあります。
走る前の食事では、主に炭水化物を取りますが、このとき、体重1キロあたり1~4グラムの炭水化物の摂取を目安にします。体重60キロのランナーであれば、60~240グラムぐらいです。
それくらいを取っておくと、走る時に最大限に力を発揮できるようになります。
運動中などは、エナジードリンクやゼリー系のものでエネルギー補給をするのをお勧めします。
これらは簡単にエネルギーを補給できるので、とても便利です。
また、エネルギーを補給するといっても、初めからたくさんするのも逆にダメです。
これについては、最後に解説をします。
また、空腹時のランニングには注意が必要なので、以下の記事を読んでください。
最後に
今回紹介した注意点を意識するだけで、あなたのランニングは大きく変わります。
なので、実際に試してみてください!!